トツドル!

突然の呼び出し ⑶

「ぜ、全国放送? 」
私は口に含んだコーヒーを噴き出しそうになったぐらいに驚いた。
香織さんも今回ばかりは目がテンになっている。
「はい。HKシスターズは正直に言ってまだデビューしてから日が浅いということで地元の認知度が低いです。まだまだ全国放送なんて無理だと思いますが一気にお二人にはトップアイドルの仲間入りをして頂きたいと思いオファーを受けています」
「お、オファーと言われましても…私達の活動の一環でしょうか? 」
香織さんも慎重だ。それもそのはず。まだまだ広峰マネージャーの言う通り私達はまだ日が浅い。地元でもHKシスターズ? なんて名前も知らないだろう。
唯センパイが話す。
「自分は姫川クンの中の人だからはっきりとは言えませんがお二人はいずれ出る場所だと思いますよ。ご当地アイドルの活動は姫川市内も大切だろうけど市外から人を呼ぶ目的こそ大事ですよ」
さ、さすが最上級生。冷静な判断だ。
「まぁ、いきなりすぎて驚くのも無理はありません。あくまでもオファーの了承はHKシスターズの了解が無いと私も相手側も内容を詰められないのが現状です」
広峰マネージャーは紅茶を飲む。
私はケーキを食べ終わる。
「どうする? 芽衣ちゃん? 」
香織さんがいつに無くあたふたしている。
「どうすると言っても…。香織さんはどうなんですか? 」
あたふたする香織さんも可愛い。
「わ、私は出て姫川市が伝わるのならそれはそれでいいけど…」
「なら決まりじゃないですか。まだ曲がないから主に姫川市の案内なら伝えられますよね? マネージャー」
と、広峰マネージャーに振る。
「ま、まぁ、ご当地案内なら役所的にも無難です」
「はい、決まり! 私達、出演します! 」
「め、めめめ、芽衣ちゃん? 」
この時の私は何も考えていなかった。
この後のハードさを。
「ならば早速先方に知らせていただきますね。決意が揺らぐといけないので…」
広峰マネージャーがスマホをいじる。
「あ! HKシスターズの出演もですが、姫川クンの出演も決定していますので三人で案内をする収録もお願いしておきます」
姫川クン?
「実はこの企画、ご当地キャラクターとご当地アイドルの抱き合わせなんです。姫川クンはHKシスターズが出演しないとなると出番が無かったので正直なところホッとしています」
唯センパイは本当に嬉しそうだった。
ただ一人、香織さんが沈黙をしている…。
そぉっと覗いてみるとなんか真っ青になっていた。
「か、香織さん、大丈夫ですか? 」
「え、ええ。ちょっと本当にビックリしちゃって…。唯さんもなら心強いね」
し、心配だ。
普段は私よりもずっと心強い香織さんが。
「それでは収録は来週末になります。そして本番はHKシスターズにはライブもお願いします」
「「「はい! 」」」
HKシスターズ、新しい目的が出来ました!

投稿者:

創作人 Wordpress

小説と詩を書いています。 「月の詩」シリーズをAmazonにて販売&配信中です。

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