トツドル!

デビューライブ⑵

「で、でも大丈夫なんですか? あんな約束して…」
私は一気に不安になった。
香織さんはいつも調子で
「さっきの約束? 大丈夫だよ、芽衣ちゃんなら。それにねー、今日からは新衣装になります! 」
「え! この衣装じゃないの⁈ 」
また着替えるの⁇
バッチリと決めたのに。
「じゃーん! A◯B衣装からクールな黒と赤の衣装になります。ちなみに黒は私で赤は芽衣ちゃんね」
衣装自体は変わらずに色がはっきりと黒と赤の2色になっていた。
私が赤…。
「えーと、つまり…」
「私達のイメージカラーが決定していたのよ」
確かにイメージカラーはアイドルには大事!
個別推しには更に重要な要素!
しかも香織さんが黒衣装なんて着たらボディラインが更にはっきりと分かる。しかもクール。
「か、カッコいい…」
思わず声が漏れた。
「芽衣ちゃんもかわいい」
「か、からかわないでくださいよぉ~」
慌てて新衣装に着替える。
「でも、文字通りにこのステージをキッカケにアイドルとして一皮むいてみる? 」
ドキッ!
ひ、一皮むくとは?
「うふふ。楽しみー」
香織さんの含み笑いはいつもコワイです。
「ちなみに今年の市政の予算から私達の活動運営費が計上されたみたいだけど…」
香織さんが私の耳元に語りかける。
話の内容も凄いけど香織さんの囁きが私を骨抜きにしている。
「か、香織さん、ちょ、ちょっと…」
違う意味で昇天しそう。
「とまぁカンタンに言っちゃえば、人口増加にアイドルで一発当てようというお偉いさんの現われだね」
そんなことを知ってか知らないか香織さんは私から離れて軽~く言い切った。
し、市政って!
「わ、私、が、頑張ります」
「言っているセリフはえらいけど身体は思い切りギブアップしているよ、芽衣ちゃん」
「だ、だって、そんな責任、私は負えません」
本音は間違いなく無理だ。
「と、とにかく衣装も新たに私達 HKシスターズの新しい門出に…」
ザーーーー!
いきなり雨ーー!
「HKシスターズの配置、お願いします」
無情にもスタッフからのコールが。私達は急いでステージに立つがやはり止まない。
中止かなぁ…。
私の頭をある言葉がよぎった。

投稿者:

創作人 Wordpress

小説と詩を書いています。 「月の詩」シリーズをAmazonにて販売&配信中です。

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