トツドル!

スタッフ増員です!

「伯父さん! どーしてユニット名のコトを黙っていたのよ! 学校で恥をかいたよ。」 市役所の会議室の一室を借りて私達のHKシスターズの一室がある。普段の練習メニューやイベントの打ち合わせは全てここで行う。「それはお前が悪い。会議中にイヤホンで音楽を聴いていたから。」 御尤もです。「で、今日は? 」 顔を真っ赤になって聞いた。「何でもメンバーが増えるとか増えないとか…。」 香織さんがあやふやに言うなんて珍しいけど、メンバー増員⁇ 「まぁー、メンバー増員に違いはないが…。」 伯父さんの視線が私に向く。「まさか、私じゃ不満⁉︎ 」「芽衣ちゃん、芽衣ちゃん! そんなことないよ。」「まぁ、落ち着け。メンバーよりもスタッフ増員になるな。紹介しようか、入っておいで。」 ガチャ ドアの向こうから一人の女の子が入ってきた。 髪はセミロング、背は145cmぐらいかな? 後は…なんだかプロモーションが素晴らしいんですけど‼︎ 特に私にない膨らみが…。「紹介しよう。来週からのイベントに参加するご当地キャラクターの動きと声を担当する安室唯さんだ。」 ご当地キャラクター⁇「初めまして! 来週からお世話になります、安室唯です。ご当地キャラクターの姫川クンをやらせて頂きます。」 あ、安心したぁー。「初めまして、姫川女子一年の姫川芽衣です。あなた、年は同じ年なの⁇ 」「初めまして、南畝香織です。唯さん、よろしくお願いします。」 二人揃って自己紹介をした後で伯父さんが言いかけた口を塞ぐように安室さんが前に出て言った。「私は姫川女子の三年ですよ、お二人さん。」 えー! せ、センパイ‼︎「す、スミマセン! タメ口しちゃって安室センパイ。」「私もゴメンなさい。」 今度は平謝り。「あ、いいんですよ。この世界、年齢関係ありませんから。それに今回の仕事は時給1500円よりもお二人さんがアイドルをやると聞いて応募したんですから。」「それはどーも。」 なんだか嬉しい。 でも時給1500円って凄い! いきなりの格差が…。「実は私も去年の秋のライブを見ていたんです。姫川さんが飛び入りしてた…。それからケーブルテレビを見てお二人さんがアイドルをやることを知って、続いて私の特技が活かせる姫川クンの中の人の応募があって応募したんです。」 な、なるほど。「じゃあ、唯さんでいいかしら? 学校のセンパイだから。」「いいですよ。芽衣さん、香織さん。」 と、唯さんは優しく微笑んだ。「それともう一人、紹介しよう。」 伯父さんは今度は見るからにオトナの女性を呼び出した。 いかにもリクルートな服を着ているけど…「紹介しよう。我がふるさと広報課の新人の広峰瞳さんだ。今後は俺に代わってHKシスターズのマネージャー業務をこなしてもらう。もちろん手が開かない場合や有給の時は俺が代行する。」「広峰です。今後はHKシスターズと姫川市の知名度アップに精一杯の努力をさせていただきます。」 わぁー….伯父さんとタイプが違う。「それでは早速、来週のふるさと振興イベントの打ち合わせを行いたいので…課長は席を外して下さい。」 呆気なく伯父さんは退席をさせられた。 わぁー。 きっとゆるゆると出来ないなぁ~。「さてと課長も退席したし…。」 なんか緩んだ⁈「さてとまずは唯さんは姫川クンの動きを把握してくださいね。声は声優養成所に通っていると聞いていますので安心です。そして南畝香織さんは来週からはフレッシュな気持ちで新人らしくしてください。アイドル歴が長いから安心ですが最初だけは慣れを感じさせないようにお願いします。」 と、テキパキと助言。 あれ⁇ 私は⁇ 「姫川さんは…今のままで大丈夫! へんにスキル上げようとかしないでくださいね。」「え⁇ 」「失敗しても責任は大人がしっかりと取ります。安心して自然体になってください。私、実はあなたを一番期待しているんですよ。」 き、期待の星⁈「私達が一から育てるアイドル…。」 ポツリ。「え⁇ 」「な、何でもありません。」 その後も広峰さんの打ち合わせが続き、終わった頃には夕暮れになっていた。「お疲れ様でした。」 三人の声が交わる。「それにしても広峰さん、テキパキしていましたね。」 「そうね、芽衣ちゃん。市役所勤めの前歴が芸能事務所だから安心だね。私達のプライベートやファンのメール管理はされるだろうけど。」 広峰さん、実は大手芸能事務所のマネージャー業務をしていたらしいのです。実に驚き。「私の方も兼務なので安心です。」「そうそう。着替えや話したい相談はやはり同性じゃなきゃダメ。」「芽衣ちゃん、伯父さんがかわいそうよ。」「でも地域イベントの司会の他のライブの方も増えるかも‼︎ 」「そうね。広峰さんについていくってことは私達も体調管理をしっかりとしなきゃね。」「はい! 」 その頃。 広峰は誰もいないHKシスターズの打ち合わせ室でパソコンを起動させていた。 パチパチ…パチパチ…。 何処と無く顔もニヤけていた。(続く)

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創作人 Wordpress

小説と詩を書いています。 「月の詩」シリーズをAmazonにて販売&配信中です。

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