トツドル!

秋空の下

うーん…どうしよう…。 秋空の下、決して暑くもなく寒くもなく、お昼寝をしたらいい感じの陽気な休日。ごく普通の服装にごく普通のルックスにごく普通のスタイルのごく普通の中学生(春からは女子校生)があるイベントの入り口に来ていた。 ただし、目の前の明らかにして「私、迷子です」的な状況になっている見た目五歳くらいの女の子がオプションになるまでは。 辺りを見回すが警備員さんもお巡りさんも見当たらない。 お決まりだけど聞いてみる。「お名前はなんて言うのかなぁ? 」「パパとママとはどこから来たのかなぁ? 」 あれこれと聞いてみるがやはり答えてくれない。 ここはやはり普通に交番へと行こうと決心して手を繋いだ瞬間、 「迷子になったんだねー。でも泣かなかったんだ、えらいえらい」 突然と現れ女の子の頭を撫でている。 な、何、このヒト⁇「あ、あのぉ……」 見た目、私より年上だけど、顔は帽子にマスクで隠されて見えない。「パパとママがいなくなちゃったんだぁー、ならこのお姉ちゃんと私が見つけてあげる! 」 ? え⁇「今から交番に届けるん……」 言いかけた時、突然手で塞がれた。モゴモゴとしていたら立ち上がり、「アンタ、馬鹿⁈ ここから交番まで何分歩くの⁇ 」「え⁇ 5分くらい……」「アンタが歩けてもこの娘は無理。警察に渡せたとしてもこの娘には不安しかない。先ずは早く家族の元に戻すことが先! 」 冷静だけど見も知らぬヒトに馬鹿呼ばわりはされたくない!「まだ大丈夫かな」 腕時計をチラ見して頷き、私に顔を向いた。「見た目、中学生ぽいけどこのイベントに参加する? 」 唐突に聞かれた。「ええ、まぁ……」 「なら話が早いわね。見た目、普通だけどワルくないしね」 何の話ですか? 嫌な予感がよぎる。「今から一番早く見つかる方法があるの知っている? 」 違う、朗報だ!「あるんですか? 」「うん。」と、人差し指をある場所に指した。「今からあのステージに立って、皆んなに呼びかけるの! 」 「はい⁇ 」 あのぉ……よく分からないのですが? 私はその唐突で奇抜なアイデアに言葉を失った。 「そんな簡単に出来ないんじゃ……しかもそのステージにはアイドルが……」「アンタ、このイベントの主役を目の前にして知らない⁇ 私、今からこのステージに立つ一日一善アイドルの南畝香織だよ」 直ぐにチラシを見て、再度確認するようにその顔を見た。間違いない!黒縁のメガネにマスクしているけど 私が隠れ追っかけしている南畝さんが間近にいる! か、かわいい‼︎ 間近に同じ空気を吸っている! 酔い痴れる私を余所に「さ! 時間がないから早くするよ! 」 南畝さんは女の子の手を繋ぎ私と一緒にその指差す方向へ進んで行った。

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創作人 Wordpress

小説と詩を書いています。 「月の詩」シリーズをAmazonにて販売&配信中です。

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